entertainmentbox's diary

映画、アニメ、漫画などのエンタメ情報を発信しています

パズドラは日本のゲーム産業を潰すのか

2012年2月にサービスを開始して、ダウンロード数はついに1500万に迫る勢いな『パズドラ』。運営するのはPC向けオンラインゲームをメインに展開していたガンホー・オンライン・エンターテイメントだ。ガンホーは『ラグナロクオンライン』など、以前からユーザーからお金を吐き出させるのが上手い会社として有名だった。ユーザー心理を上手くつく課金システムを構築するのが上手くて、はまり込んだユーザーはことごとく重課金を強いられることになっている。

そんなパズドラだが、誰もが分かる通り今のPS3やWii向けのコンシューマーゲームにかかる制作資金の何十分の一の値段でつくられている。実際に、スマートフォンゲームというか、オンラインゲームは配信スタートしたあとも定期的にバージョンアップする必要があるので、労力はかかっているが、それでもコンシューマーゲームと比べると劣る。そんなパズドラがクリエイターが集結してつくられたゲームより多くの利益を生み出しているのだ。これはゲーム産業を潰すことになってしまうのか。これからはコンシューマーゲームの発展は衰えていき、スマートフォンゲームが発展していくのか。

ここで考えなければいけないのは、そもそもゲームというのは娯楽でしかないということだ。ここは非常に重要で、ゲームに大切なのはクオリティーの高さというよりもユーザーの満足度なのだ。どんなにクオリティーが低くても、遊んだユーザーが楽しんで満足できればそれで正解なのだ。映像美や秀逸なストーリー、音楽というものはあくまで手段でしかない。

とここでさらに重要になるのだ、コンシューマーゲームというのはやるのに時間を多く取られるということだ。RPGやアクションゲームなど100時間近くかかるものも多い。今多くの人は短時間で満足できるものを求める傾向にある。できるだけ短い時間で快感や満足を得たいのだ。そういった意味ではコンシューマーゲームは分が悪いだろう。

今は娯楽が多い。アニメや漫画、ライトノベルやアイドル、他にも多くの娯楽が今は存在する。その中で高価なお金を払って、多くの時間を要求されるコンシューマーゲームが多くの人に称賛されるのは難しいだろう。お金も時間もあったバブルの時期だからこそ拡大し続けられた産業だともいえる。

けれど、だからこそ『パズドラ』はゲーム業界を潰すのではなく、逆に助けたと言えるだろう。要は何でもいいからゲーム業界にお金が回るようにする必要があるのだ。スマートフォンゲームで稼いだお金をガンホーPSPなどのソフトの開発につかったりしている。これは素晴らしい循環だろう。他にもいくつかの会社がコンシューマーゲームを開発しつつ、スマートフォンゲームを開発しているところがある。

アニメ業界がパチンコ産業によって資金を獲得して新たなアニメをつくる流れを構築できたように、ゲーム業者も勝負したい部分とお金を回収したい部分の流れをつくればこれからもゲーム業界として発展していくことができるはずだ。